2019.8.1
前回、「大風呂敷を広げよう」と書きました。
どうせ見るならでっかい夢を、というメッセージを学生のみんなに向けて、そして自分を鼓舞するために書きました。
今回は僕の夢について書きます。
果てしない、もはや妄想に近い夢なので、
本気で言ってるの?と思われるかもしれないけど。
僕は本気です。
それは、
「すべての病気を治したい」
ということ。
専門領域の病気だけでなく、
専門外の病気でも、研究のチカラでその理とメカニズムを明らかにする。
そして新しい治療法の開発に挑戦する。
それが僕の夢であり、志です。
もちろん壮大すぎる夢だということはわかっています。
良識のある研究者や医療に携わる先生方からは、「なにをバカなことを、、」と眉をひそめられてしまうかもしれません。
ひとつの病気だけでも、メカニズムや新しい治療法を発見するのはとても困難です。
実際、今僕が進めているがんの研究においても、新しい免疫療法の有効性を提示することができましたが、従来の標準治療とされてきた抗がん剤の治療成績と比べて、100日程度しか寿命を延ばすことしかできていません(抗がん剤よりも副作用が大幅に少ないことはとても重要な成果だとは思います)。
現時点では「すべての病気を治す」なんてことは荒唐無稽な戯言なのかもしれません。
日々、実験を繰り返し、臨床試験を行っています。
しかし、実験は思い通りにいかないことのほうが多いです。
臨床試験では救えない命もたくさんあります。
正直な話、心が折れそうになることもあります。
それでも、
前に向かって挑戦し続けたい。
本田圭佑選手がワールドカップで優勝すると宣言し続けているように
堀江貴文氏が低コストで宇宙にロケットを打ち上げると言い続けているように
本庶佑先生がすべてのがんを根治させると語り続けているように
僕も志高く、壮大な夢を語りたい。
コトバにして自分の口から吐き出さなければ、絶対に叶わないことを知っているから。
一人ではとても到達できません。
でも僕には同じ志を持つ研究者、大学院生、学生、研修医の仲間がいます。
この仲間たちと、「すべての病気を治す」という志の実現に向かって走り続けます。
また、それぞれの専門分野が高度に細分化されている「ヒトの医学」では、すべての分野へのアプローチは難しくても、
動物種を超えて、横断的に病気を見ることができる「獣医学」であれば、この壮大な夢を実現できるんじゃないか。
そう信じています。
遥かなる高みを目指して。
一歩ずつ、でも着実に。
進んでいきます。
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