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CLEAR

     project

現在僕たちは、

CLinical Evaluation of Anti-Regulatory T cells (CLEAR) projectを進行中です。

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Regulatory T cell(制御性T細胞:Treg)は、免疫を抑制する特殊な​​免疫細胞です。

Tregは過剰な炎症の制御や免疫寛容に関与する「いいもの」の細胞ですが、腫瘍においては「わるもの」になります。

がん細胞はもともとは自己の細胞ですが、遺伝子変異により異常な細胞となっているため免疫細胞はがん細胞を「非自己」として認識し、攻撃します(これを抗腫瘍免疫と呼びます)。

しかし、がん細胞はさまざまな方法でこの抗腫瘍免疫を回避しようとします。

その1つとして、Tregをがん細胞の周りに呼び寄せることで腫瘍組織内を免疫抑制環境にしてしまうという方法があります。

実際、さまざまな腫瘍組織内にTregが浸潤しており、Treg数が多いほど予後が悪いことがわかっています。

CLEAR projectでは、以下の3つの課題をクリアすることを目標としています。

①腫瘍内Treg浸潤機構の解明・Treg浸潤阻害法の確立

②獣医学(イヌ・ネコ)で抗Treg療法のがんに対する効果の証明

③医学(ヒト)への応用

​これまでに犬の移行上皮癌と前立腺癌の症例を用いて、Tregの腫瘍組織内への浸潤メカニズムを明らかにし、抗Treg療法が新しいがん治療となることを証明することができました。

移行上皮癌の研究は2019年6月にCancer Immunology Research誌の論文(プレスリリース発表論文報道)として、前立腺癌の研究は2022年2月にJournal for ImmunoTherapy of Cancer誌(プレスリリース発表論文報道, , , , )の論文としてそれぞれ発表することができました。

上記の3つの目標のうち、①・②の大部分は達成することができました。③のヒトへの応用についてはまだ途中ではありますが、一部はクリアできたと考えています。

 

今後、移行上皮癌と前立腺癌で明らかにしたTreg浸潤メカニズムがその他の腫瘍でも認められるのか?抗Treg療法がどの腫瘍で有効なのか?を検討する必要があります。

さらに今回使用した抗体薬だけでなく、より安価に使うことができる低分子化合物の新薬開発、そして医学への応用展開を進めることが今後の課題です。

現在、新薬の開発・製品化に向けて研究を進めています。

臨床試験にご興味のある先生・飼い主さまは、是非このプロジェクトにご協力いただけたら幸いです。

がんを患う犬たちのために

最愛の子を想う飼い主さまのために

そしてがんを患う人のために

このプロジェクトが少しでも貢献できたら、望外の喜びです。

一歩ずつ進んでいきます。

 

 

​どうぞよろしくお願い致します。

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