2019.2.17
2019年2月15日~17日に横浜で開催された第15回日本獣医内科学アカデミー学術大会(JCVIM 2019)に参加しました。
今回は現在進めているCLEAR projectの臨床試験の講演をさせていただきました。
タイトルは「新しいがん治療 犬の移行上皮癌に対する免疫療法 ~制御性T細胞を制御する~」です。
改めて見るとだいぶ大見得を切ったタイトル、、
今回「新しいがん治療」ということで、臨床的な話はあまりせず、たくさんの研究データを盛り込んだ内容だったのですが、会場にはたくさんの先生が足を運んでくださり大盛況でした(会場が狭かったからかもしれませんが、、)。
前の演者が北海道大学の今内 覚先生というPD-1/PD-L1抗体薬の第一人者の先生だったこともとても大きかったと思います。
今内先生の講演内容はとても興味深く、癌とレトロウイルスが共通の生存戦略を採っているなんて、、と好奇心をくすぐられるお話でした。
今内先生は犬のがんだけでなく、牛白血病の研究も精力的にされており(むしろそちらが専門)、「獣医学研究を盛り上げたい、トランスレーショナルリサーチが獣医学研究の生き残る道である」など僕が日々考えていることを語っていて、僭越ながらとても共感していました。
僕の発表にも真剣に聞いてくださり、たくさんの質問と前向きな素晴らしい提案をいただくことができました。新たな課題や気づきも多く、とても勉強になりました。
本当に感謝です。
シンポジウム後もお話をさせていただき、「早く困っている人たち、動物たちを助けるために、いかに迅速に抗体薬を作れるか」が共通の課題・目標としてあるということを再認識させていただきました。
薬を上市するまでにはさまざまな困難がありますが、それを解決するための方法もまたさまざまあるはずです。
今のところ、1つのやり方でしか進めていませんでしたが、その他の可能性についても検討してみようと思うようになりました。
一日でも早く、獣医師の先生方や病気と闘っている飼い主さんに新しい治療の選択肢をお届けできるように努力しようと思います。
今内先生と記念撮影。楽しい時間を本当にありがとうございました!
今回の学会のもう一つのニュースは、当研究室の大学院生の酒居くん、梶くんが研究発表のアワードをダブル受賞したことです!
獣医界のレジェンド長谷川先生の隣に陣取る二人
二人とも日々努力しているのを見ていたので、それがアワードというカタチとして評価されてとてもうれしいです。
本当におめでとう!
でもこれに満足せず、また一歩ずつ研究を前に進めていってほしいと思います。
研究は発表するときには一見華々しく見えますが、実際に手を動かしているときはとても地道なものです。
なかなか結果が出ないことも多いです。
でもその地道な一歩を続けていけば、いつか結果として花開くはずと信じて(時には盲信して?)自分がこれだと思う道を続けていくことが大事なのかなと思います。
この世界は広く、わからないことだらけです。
サイエンスは着実に進歩していますが、まだまだわからないことばかりです。
正解なんて誰にもわかりません。
自問自答する日々です。
だからあれこれ考えることは大事ですが、考えるだけではダメ。
手を動かす、実際にやってみる。試してみる。
試行錯誤を繰り返すことで、少しだけ正解(真実)に近づくことができる、、はず。
たとえ失敗してもそのやり方だと失敗するということが学べます。
次は違うやり方をすればいいだけ。
獣医療をよりよくするために、これからもみんなと楽しみながら試行錯誤を繰り返し、一歩ずつ進んでいきたいです。
これからもよろしくお願いします。
3人で記念撮影。顔が真っ赤ですみません。。
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